放課後等デイサービスは民間企業が運営していることがほとんどの為、つぶれることもあります。
発達障害の子どもの学童保育の機能を有している施設ですので、企業ばかりでなく利用者や施設で働く職員にも影響が出る場合があります。
2018年4月に行われた報酬改定の影響で廃業に追い込まれる施設も出てきており、職員の給与カットや人員削減を行う施設も少なくありません。
こちらの記事では放課後等デイサービスのそういった経営悪化について解説を行います。
放課後等デイサービスはつぶれることもある
放課後等デイサービスは平成24年の児童福祉法の改正によって新たにつくられた障害福祉サービスです。
この法改正を機に多くの民間企業が地元の障害者支援や療育を担うため施設を運営し始めました。
現在は全国に1万ヶ所以上の施設が運営されています。
施設の運営には法律で規定された職員の配置をしなければいけなかったり、市町村が定める方法で運営をしなければいけません。
企業は受け入れた障害児の人数に応じて各自治体に報酬を請求することになります。
この仕組みにより、利用者は1割負担で施設を利用することが出来ます。
しかしながら、この施設運営はあくまでも民間企業が行っている為、親会社の経営が悪化してしまったり、受け入れる児童の人数が少ないとつぶれる可能性もあります。
特に、2018年4月に実施された報酬改定によって閉鎖の危機に陥る施設も多くなりました。
報酬改定の影響が一因になっている
2018年4月に実施された報酬改定の影響で多くの施設が職員の給与カットや人員削減の対策を行うことになりました。
報酬改定が行われた経緯は放課後等デイサービスが提供するサービスの質の担保と言われています。
一部の施設では福祉ビジネスで利益を上げることが優先され、十分な療育や発達支援を行わない施設も増えてしまっているということが厚生労働省の見解となっています。
これを受けて、放課後等デイサービスが受け取る報酬の基準が改定され、減収・減益になるケースが出ています。
報酬改定による影響に関しては下記の記事でも解説を行っています。
→ 放課後等デイサービスの実態は?調査から分かる障害児の居場所
保護者のニーズが高いのに閉鎖の危機もある現状
先述したような背景とは裏腹に、放課後等デイサービスへのニーズは高まる一方です。
保護者の立場からすれば、
・仕事をしている間に預かってもらえる場所
・療育や様々な発達支援を行ってもらえる施設
という側面があります。
障害者手帳などが無くても、市町村が発行する通所受給者証があれば通えるということもあり、障害児を育てる保護者にとっては重要な福祉サービスなのです。
つまり、地域のニーズが高いにも関わらず、施設側では運営が厳しいという現状があるのです。
今後の動向について
報酬改定によって経営悪化に陥る施設が多い半面、保護者のニーズが高いサービスになります。
今後の動向に関しては、施設を運営する経営者、子どもを預ける保護者、施設で働く職員なども気になる点だと思います。
今回、報酬改定がきっかけとなってこういった状況になったことを考えると、
・法律の改定に少なからず経営が左右されること
・本来の目的に沿った運営がなされていること
これらが今後の動向を見守っていくうえでの焦点になるかと思います。
まとめ
放課後等デイサービスは民間企業による運営が主です。
利用者にとってはとても便利なサービスではありますが、倒産・閉鎖などの状況が生まれる可能性があることを理解しましょう。