放課後等デイサービスの施設は赤字での事業運営になってしまうケースがあります。
実際に報酬改定をきっかけに赤字になってしまったケースや廃業になってしまった施設があります。
どういった場合に赤字のリスクがあるのかどうかを見ていきたいと思います。
運営している企業の経営状況は、最終的には実際に利用する児童や保護者も影響を受ける可能性があります。
サービスを充実させる、新規利用者の集客を増やすなどして事業が安定していることが利用者にとっても望ましいことなのです。
放課後等デイサービスが赤字になるケース
平成30年の報酬改定によって多くの放課後等デイサービスの施設が廃業の危機に追い込まれることになりました。
障害の重い子どもを多く受け入れている場合には「区分1」へ。
障害の軽い子どもを多く受け入れている場合には「区分2」へ報酬区分が分かれることになりました。
その結果、
・区分1 → 基本報酬3-5%減
・区分2 → 基本報酬10-12%減
という形になり、いずれにしても基本報酬分の売上が下がってしまいます。
元々施設の規模がそれほど大きくはない施設で、尚且つ区分2に振り分けられた施設は廃業などの危機になった施設もあります。
地域によって変わる報酬区分の判断
この報酬改定に関しては、児童福祉法の改正によるものです。
よって、区分1か区分2かの判定に関しては、全市町村で統一された判断基準の元に施行されるべきです。
しかし、実態はそうはなっておらず、地域によって基準が違うことも多々あるようです。
最初は区分2で判定された施設が、再判定を要請した後に改めて区分1に判定されたケースもあります。
つまり、施設の判定に伴うフローが整っておらず、統一された判定が出来ない状態になっていることもあります。
また、施設に通う子どもたちの保護者にも市町村の聞き取りがはいることになります。
その際に伝えた内容とは別の内容で解釈されていることもあるようです。
そういった部分が最終的に施設運営を圧迫して、利用者の利便性が損なわれる可能性があるのです。
利用者が影響を受ける可能性もある
施設の運営が厳しくなれば、それが利用者にも影響を与える可能性があります。
例えば、
【職員の給与削減・人員削減】
という対応を施設側がとった場合、
・職員の人数が減り、十分に対応できる子どもの定員が少なくなる
・これまで送迎サービスを提供していたのが提供出来なくなる
・子どもや親がふれあえるイベントが充実していたのになくなる
こういった影響が出てくるのです。
これは施設、利用者はもちろん望んでいることではありませんし、自治体もこういった状況になることは望ましいことではありません。
つまり、放課後等デイサービスのサービスの質を高める為に行った法改正が、関わる全ての人に影響しているということになります。
今後の経営上の課題
報酬改定が行われたのが平成30年ですので、まだまだその影響が出る施設は多くなると思います。
まだ運営は出来ているが、慢性的な赤字経営をしている企業は多いものと思います。
この状況での課題は、どれだけ施設側が健全な運営が出来るかだと思います。
報酬改定に至った理由も、そもそもはずさんな運営をしている施設が多く、発達支援や療育という目的からかけ離れた指導をしている施設が多かったからです。
まとめ
放課後等デイサービスが赤字になるケースについて解説を行いました。
間違いなく利用者にも影響が出てくることです。
知識として覚えておきたいところですね。